こんにちは。ふぐたくまおです。
建築士の資格取得を目指す方の中には、一級建築士と二級建築士のどちらの資格を目指そう?と悩まれる方もいるでしょう。
一級建築士や二級建築士は、こちらのサイトのように、税理士や公認会計士などと並んで、役に立つ資格であると認識されていることが多いです。
(引用元:「気になる資格がみつかるサイト・資格Hacks」)
どちらの資格取得を目指すのだとしても、試験を受けるからには合格に向けしっかりと準備しておきたいものです。
そこで今回は、一級建築士と二級建築士の学科試験の違いについてお伝えしていきます。
学科試験内容の違いと共に、勉強の際に押さえておきたいポイントを掴んでおくことで、一般的に難易度が高いと言われる学科試験へ自信を持って挑めるようになりましょう。
目次
一級建築士と二級建築士どちらの資格を目指すべき?

一級建築士と二級建築士、どちらの資格取得を目指していくべき?と迷っている方もいるかもしれません。
令和2年から建築士試験の受験要件が変わり、建築士試験の受験機会が拡大されました。
それにより、一級建築士の資格取得を目指しやすくなったとも言えます。
一級建築士と二級建築士の仕事内容の違いを知ることで、どちらの資格を目指したいのか考えてみましょう。
また、それぞれの仕事内容を知ることで学科試験で求められる知識の違いを知ることもできますよ。
一級建築士の仕事って?
一級建築士の資格を有している建築士は、建設できる建物に制限がありません。
つまり、身近な戸建て住宅から国家プロジェクト並みの大規模な建築物の建設まで可能な資格なのが、一級建築士なのです。
また、海外で活躍されている著名な建築士の方々が有しているのも一級建築士の資格です。
将来的に大規模な設計、国家的なプロジェクトに携わりたいと考えているならば、一級建築士の資格取得はマストになります。
海外へ活躍の場を広げていきたいと考えた場合にも、一級建築士の資格が必要になってきますね。
一級建築士の資格は、国土交通大臣からの認可を受ける国家資格です。
建築物の規模や構造形式、構造材料共に何でも設計可能なのが一級建築士になります。
そのため、学科試験でもそれぞれの高度な専門知識を問われることになります。
一級建築士の資格を取得した先で、さらに専門的な業務に携わるための資格取得を目指すことも可能です。
また、強いこだわりがなく広く建築業界で仕事がしたいと考えている方にも一級建築士の資格取得がおすすめです。
建築の一般企業は、住宅よりも商業施設や公共施設の設計を行っている傾向が高いです。
これらの建物は一級建築士でなくては設計できないので、就職の際の選択肢の幅を広げるという意味では一級建築士の資格を目指すのもアリですね。
二級建築士の仕事って?
二級建築士の仕事の範囲は、戸建て住宅程度の規模が対象です。
どんな建物でも建築できる一級建築士と比べると、設計可能な建築物に細かい制限があります。
木造建築の場合は3階建てまでが設計可能な制限の基本になります。
建物高さ13m、軒高9mを超える建物は設計できません。
建築物の延べ面積にも制限があり、1000㎡以上の建築物の設計は認められていません。
これらは木造建築に関する制限で、それ以外の建築物の場合は制限がさらに厳しくなっていきます。
二級建築士は戸建て住宅の設計を対象とした資格と考えましょう。
一級建築士のように大規模な建築物の設計はできませんが、住宅の設計はクライアントと密に接する機会の多い仕事です。
建築に関する知識だけでなく、建設した住宅に住む人やその生活を想像し理解する力が求められます。
直接人とやり取りをする機会が多い分、自身の仕事の成果を肌で感じることができる機会も多いと言えます。
住宅設計の専門家として活躍したいならば、二級建築士の資格取得を目指しましょう。
二級建築士の資格取得後にステップアップとして一級建築士の資格取得も可能です。
一級建築士の学科試験は、試験範囲が広く難易度も上がりますが、二級建築士と全く異なる資格ではないので、勉強の要領は同じです。

どちらの資格を取得すべきか迷ったら、まずは自分が建築士としてどのように活躍したいか?をイメージしてみるといいかもしれません。
一級建築士と二級建築士の学科試験の違いは?


やっぱり二級って言うくらいだから、二級建築士の学科試験のほうが簡単なのかな?

一級建築士と二級建築士の学科試験で求められる知識は違うんだよ。だから一概に二級建築士の学科試験の方が簡単だとは言えないね。
一級建築士と二級建築士の資格の大きな違いの1つは、資格取得後に設計できる建物の種類です。
それにより携わることのできる仕事の幅も変わってきます。
つまり学科試験で求められる知識も、一級建築士と二級建築士では違うんです。
まず分かりやすいところでいうと、試験の科目数が違います。
一級建築士の場合は5科目、二級建築士の場合は4科目が学科試験の受験科目数になります。
一級建築士の学科試験内容
- 建築計画(学科Ⅰ)20問
- 建築環境・設備(学科Ⅱ)20問
- 建築法規(学科Ⅲ)30問
- 建築構造(学科Ⅳ)30問
- 建築施工(学科Ⅴ)25問
一級建築士の場合は、以上の5科目、計125問の4枝択一マークシート方式の試験になります。
一級建築士の学科試験では、広い実務知識を求められます。
学科試験の特徴として、各科目により点数の配分が異なり、合格基準点は総得点が90点、科目の基準点は過半数以上の点数となっています。
が、これはあくまで基準であり、年度により多少の調整が入ります。
学科Ⅰの試験である計画分野は、出題範囲が広い傾向にあり、受験対策が難しい科目です。
教科書から学ぶ情報だけでなく、普段の生活からもアンテナを張っておくことで手に入れられる情報もあり、身近だと感じられる一方、細かい数値や情報などを覚えていかなくてはならない暗記力が試される試験科目だったりします。
学科Ⅱの環境・設備は、ある程度出題範囲が絞れるため、勉強した結果が反映されやすい科目です。
学科Ⅲは、法規です。
法令集に記載されている内容と照らし合わせて回答する試験になります。
そのため暗記の必要はありませんが、いかに法令集を素早く引けるのかというところがカギになってきます。
学科Ⅳは、構造です。
この科目は難易度が高く、試験の合格者と不合格者との差が開きやすい特徴があります。
計算問題が出題されるのが特徴です。
学科Ⅴは、受験者の知識を問う問題が多く出題されます。
こちらも科目の試験勉強としては暗記に力を入れるタイプの学科試験ですね。
二級建築士の学科試験内容
- 建築計画(学科Ⅰ)25問
- 建築法規(学科Ⅱ)25問
- 建築構造(学科Ⅲ)25問
- 建築施工(学科Ⅳ)25問
二級建築士の場合は、以上の4科目、計100問の5枝択一マークシート方式の試験です。
一級建築士の学科試験対策の勉強でもカバーできる部分もありますが、求められる専門性が違う部分もあるので、それだけでは不十分とも言えます。
学科Ⅰの建築計画は、出題範囲が広い科目になります。
4つの分野で構成され、計画各論・建築史・環境工学・建築設備から出題される問題を解いていく試験となります。
学科Ⅱは法規です。
一級建築士の学科試験と同じく法令集をいかに素早く引けるかという部分が試験合格のカギとなってきます。
また、法令に関する問題と合わせて計算問題が出題されるため、試験の4科目の中でも難易度が高い科目です。
学科Ⅲの試験では、構造計算の問題が多く出題されます。
建築構造に関しての3分野からの出題で、構造力学・各部構造・材料からの問題が出題される傾向にあります。
学科Ⅳの建築施工では、5分野からの出題となります。
学科Ⅳの試験問題25問のうち、8割以上を占めるのが施工計画と各部工事となっています。

試験内容を見ただけで眠くなってきたよ・・・。
楽に勉強できるコツとかあれば知っておきたいなぁ。
一級建築士と二級建築士の勉強のポイントとは?


学科試験勉強のポイントをしっかりと押さえておこう!
難易度の高い建築士の学科試験に確実な自信を持って向かうためにも、勉強のポイントを知っておきたいですよね。
一級建築士の学科試験勉強ポイント
出題範囲が広い計画分野の対策は難しいと感じる方も多いでしょう。
近年では暗記を求められる建築事例からの出題が増えている傾向にあります。
ひたすら暗記をしよう!とテキストを読み込んだり、過去問を解いたりすることで頭に入れようとするだけでは、辛い勉強になってしまうことでしょう。
そこで活用したいのがネットです。
文字の情報だけでなく、実際の建物の写真を見たりすることで情報をイメージしやすくなりますし、インプットもしやすくなりますよ。
環境・設備の分野はある程度出題範囲が絞れるという意味では、学科試験に向けて勉強しやすい科目と言えます。
環境工学は、文章問題が基本ですが、計算問題が出題される場合もあるので、過去問を振り返りしっかりとチェックしておく必要があります。
建築設備は、設備の様々な方式についてのメリットやデメリットについて、深い知識が求められます。
それぞれの設備の特徴をしっかりと押さえておくことが、学科試験の合格ポイントと言えるでしょう。
法規の学科試験は、法令集を引き、その内容と照らし合わせて回答していく試験となります。
試験合格のカギはこの法令集をいかに早く引けるかというところになります。
出題傾向として、同じ問題が繰り返し出されていることもあるので、繰り返し練習することで法令集を引く速度を上げることができます。
また、許可される範囲内でアンダーラインなどを法令集に引き、使いやすい法令集にしておくこともポイントです。
法令集の扱いがマスターできれば、法規は得点を稼げる学科になります。
構造の学科試験は、難易度の高い学科試験です。
テキストを読み覚える勉強と並行して、構造力学の分野では計算問題を解いていく練習をしていかなくてはなりません。
過去問をひたすら解き、計算問題の傾向と共に解き方を身に着けておくのが合格のポイントになります。
施工では、知識を求められる問題が出題されます。
最初は1つの分野を深く掘り進めていくのではなく、各種工法の大まかな流れを掴んでイメージができるようになっておくと、その先の勉強もスムーズに進められるでしょう。
二級建築士の学科試験勉強ポイント
建築計画は出題範囲が広い科目になります。
ただ、出題傾向は過去問を解いていくことで掴むことができるので、過去問を繰り返し解いていき、基本をしっかりと身につけておきましょう。
法規の学科試験は、こちらも法令集をいかに素早く引けるか?というところがポイントになってきます。
また、法令に関する問題以外にも計算問題が出題されるので、じっくりと計算問題に向き合う余裕を作るためにも、法令集の扱いには慣れておきたいものです。
建築構造では、構造計算の問題に苦手意識を持つ方が多いようです。
しかし、問題を解く公式は決まっているので、それを覚えてしまえば得点を取ることのできる科目になります。
過去問と似たような問題が出題される傾向に高いので、公式を覚えるためにも過去問を繰り返し解いていくのが勉強のポイントです。
建築施工では、基本知識と共に応用力が求められます。
基本知識はテキストを読み込み、過去問を解くことで身に着けていくことができるでしょう。
基礎がある程度身についてきたら、応用力を伸ばすための勉強に切り替えていきましょう。
一級建築士と二級建築士の学科試験の合格率って?

頑張って勉強して、どれくらいの人が合格してるのかな?
一級建築士と二級建築士の学科試験は、科目ごとに合格基準点と総得点の合格基準点があり、すべて満たすことで合格となります。
一級建築士の学科試験の合格率は、令和2年のデータで20.7%です。
二級建築士の学科試験の合格率は、同じく令和2年のデータで41.4%です。
比べてみると、一級建築士の学科試験がいかに難しいかということが簡単に想像できますね。
まとめ
一級建築士と二級建築士の学科試験の違いをまとめてみましょう。
- 学科試験の出題科目数が違う
- 資格取得後の仕事の違いにより問われる専門知識が違う
一級建築士の学科試験も二級建築士の学科試験も、どちらも簡単な試験ではありません。
多くの時間を割き勉強するからには、やはり合格したいものです。
合格に向けていかに勉強に熱を注げるか?というのが大事なポイントになるかと思います。
資格取得後の自身の姿をイメージし膨らませておくことで、目標を見失うことなく試験勉強に向き合っていけるのではないでしょうか?
この記事がみなさまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
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こんにちは。ふぐたくまおです。
「何だ?この フグの帽子を被った怪しいクマ は?」という疑問にお答えします。
ぼくは、関東生まれ関東育ちの元公務員です。
平成26年(2014年)に一級建築士に合格するも、その合格までに費やした費用は、約250万円!!
自分が合格してみてわかったこと、それは、「製図を独学で勉強するというのはほぼ不可能」ということ。
- できるだけ、安価で製図の勉強ができる環境を提供したい
- これから受験する学生や、卒業したての社会人に、自分のように無駄なお金を使わせたくない
そんな思いから、作図、エスキスの添削に特化した、オンラインサロンの運営を始める。
【今だけ限定】サロン立上げキャンペーンで5人まで、合格までの間永久会費無料!(終了後は有料になります)、詳しくはこちら。
ぼくが、なぜ資格の取得までに250万円を費やしたか、こちらで詳しく紹介してるので、よかったら見てやってくださいね。
プロフィール:新卒で建築会社に入社するも、周りに流され明確な意思がないまま、資格学校に入学。その後授業料だけ払い、勉強もせず学校も行かず無駄な日々を過ごす。一級建築士の取得までに掛かった総額は実に250万円以上!
合格してわかったことは、製図を独学で勉強するというのはほぼ不可能ということ。でも、学校は学費が掛かる。もっと安価で製図を教えてくれる人がいれば、自分のように時間とお金を掛けずとも一級建築士は取れるはず・・・
自分のような思いをする人を少しでも減らしたいという思いから、作図、エスキスの添削に特化した、オンラインサロンの運営を始める。
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