こんにちは。ふぐたくまおです。
皆さん、一級建築士学科試験は満点125点に対し、例年の合格基準点が90点前後になることはご存じでしょうか。
実はこの合格基準点、平成25年から令和2年の過去8年間で、最も低い年で87点、最も高い年で97点と10点もの差があるのです。

同じ試験なのに10点も合格点に差があるなんて・・・来年はどのくらいが目安になるんだろう
目次
一級建築士学科試験の令和4年の合格点予想

来年の一級建築士学科試験は何点取れば合格できるのか、何点を目指して勉強するべきなのか、気になりますよね。
近年の合格点推移と難易度を検討した結果、87点と予想します。ぼくの個人的な見解ですので参考程度に留めてください。
例年が90点とすると少し下げています。点数が下がる分、合格しやすい年なのかといいますと、そうではありません。例年に比べて試験は高難易度化すると考察しています。

合格点予想87点の理由をこれから詳しく説明していくね
一級建築士学科試験合格点の仕組み
初めに一級建築士学科試験の合格基準点の仕組みを簡単に解説いたします。例年の基本的な水準は以下のようになります。
- 計画・環境設備・法規・構造・施工の各科目で過半の得点をすること
- 5科目の総合点は90点程度を基本的な水準とする
なぜ総合点90点が毎年上下するかといいますと、試験元が想定している合格率と実際の試験の総合点に差がある場合、合格基準点となる総合点を調整しているからです。
例えば試験元が「今年は15%程度を合格にする」と想定していたとします。合格基準点は基本90点です。しかし実際の試験で90点以上取れていた割合が40%いた場合、合格基準点を95点に引き上げることで想定してた合格率に調整しているのです。
この年は、試験の難易度が易しかっため合格基準点が引き上げられたと考えられます。
このように年度によって合格率を調整するため合格基準点が変動しています。

合格基準点が90点以下の年度は、試験の難易度が高かったといえるね
令和2年以前の合格点・合格率の推移
次に令和2年以前の合格点の推移をみていきましょう。
試験年度 | 学科試験合格点 | 合格率 |
平成25年 | 92点 | 19.0% |
平成26年 | 90点 | 18.3% |
平成27年 | 92点 | 18.6% |
平成28年 | 90点 | 16.1% |
平成29年 | 87点 | 18.4% |
平成30年 | 91点 | 18.3% |
令和元年 | 97点 | 22.8% |
令和2年 | 88点 | 20.7% |
90点前後が合格基準点となっておりますが、平成29年は87点と最も低い点数となっています。平成29年は、計画と施工の難易度が高かったため合格基準点数が引き下げられたと言われています。
令和元年の合格基準点は97点と突出して高くなっています。令和元年は過去問からの出題比率が高い為、高得点を狙いやすく合格基準点も引き上げられています。
直近8年の表からは、90点を下回った年の翌年は合格点が上がり、90点を大きく上回った年の翌年は合格点が下がるように、難易度の調整をしていると考えられます。
それでは、学科試験合格発表が9月7日に迫る令和3年の合格点はどうなっているのでしょうか。

令和2年の合格点が88点だから、90点以上の難易度になるように調整されたんじゃないかな?
令和3年の資格学校大手3社合格点予想

大手資格学校3社の令和3年一級建築士学科試験の合格点予想をまとめました。
計画 | 環境設備 | 法規 | 構造 | 施工 | 合計 | |
総合資格 | 9点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 85or86点 |
日建学院 | 10点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 86点 |
TAC | 10点 | 11点 | 16点 | 16点 | 13点 | 87点 |
令和2年の結果から、令和3年の合格点は90点以上になるように難易度を調整すると考えていました。しかし令和3年の大手資格学校3社の予想は85~87点と近年で最も低い点数を予想しています。
大手資格学校3社の総評を見比べても難易度の高かった令和2年と比較してさらに難しくなり、特に計画が今までにないほど難しかったと記載されておりました。
計画は初出題が増え、過去問の学習だけでは対応できない内容でした。また施工も初出題が若干増え、令和2年と比べて難易度が高くなりました。一方で環境設備、法規、構造の例年並みの難易度となっておりました。
初出題としては、法改正や新技術に関する内容のほかに、近年の社会情勢を反映した省エネルギーや環境負荷低減、災害対策に関する内容が出題されました。
例年並みの難易度の科目であれば過去問でカバーすることは可能ですが、今後の試験では新傾向の出題についても学習を行う必要があるといえます。
令和2年の建築士受験資格改正

令和2年に引き続き令和3年の難易度が上がった要因には、令和2年からの建築士受験資格改正が関係していると考えます。
もともと一級建築士を受験するには、大学を卒業しても2年間の実務経験が必要でした。改正後は、実務経験ゼロで受験が可能になりました。実務経験は試験の前後にかかわらず、免許登録までに積んでいれば良いこととなりました。

最短でも大学卒業後に2年間の実務経験を積み、中堅社員として多くの仕事を抱えながら受験しなくてはならないのが令和2年以前の一級建築士試験でした。
比べて新卒1,2年目や大学生は勉強時間が確保しやすい時期だと思います。そのような方々が改正後は一級建築士試験に強力なライバルとして参入することが可能となりました。
受験資格改正により、一級建築士試験にチャレンジできる層が増えたことや、勉強時間の確保がしやすくなっていることを前提として試験の難易度があがっているのではないでしょうか。
令和4年の一級建築士試験も、この傾向は継続すると仮定します。よって令和4年の一級建築士試験は令和2,3年と同程度の難易度となり合格点数は「87点」と予想します。

一級建築士学科試験の高難易度化は令和4年も継続すると予想しているよ
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回の記事内容をまとますと以下の通りです。
- 令和4年の一級建築士学科合格点は87点と予想!
- 令和2年に引き続き令和3年の合格点は低い(難易度が高い)
- 受験資格の改正により試験の高難易度化は継続すると予想
受験資格改正後は学科試験の難易度が上がり、合格基準点が令和2,3年は低いことがわかりましたね。
また令和3年の試験内容では初出題が増加し、過去問だけでは対応しきれない科目があったことも明らかとなりました。
令和4年も難易度は上がると想定して勉強する必要があります。誰もが得点できる過去問からの出題を確実に覚えることに加えて近年の社会情勢を反映した新傾向問題にも対応できるよう視野を広くしておきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
みなさんが無事に一級建築士試験に合格することを心より願っています。
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こんにちは。ふぐたくまおです。
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ぼくは、関東生まれ関東育ちの元公務員です。
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プロフィール:新卒で建築会社に入社するも、周りに流され明確な意思がないまま、資格学校に入学。その後授業料だけ払い、勉強もせず学校も行かず無駄な日々を過ごす。一級建築士の取得までに掛かった総額は実に250万円以上!
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