こんにちは、ふぐたくまおです。
皆さん、一級建築士試験の法規の勉強は順調に行えているでしょうか。
5科目の中で唯一持ち込みが認められている法規は、法令集を探せば答えがあるという理屈から高得点を狙うべきといわれていますね。
とはいえ、「法令集を使いこなせず半分も点数を取れない」「問題を解くのに時間がかかりすぎて勉強する気が起きない」など法規に苦手意識をいだく方は多いのではないでしょうか。
ぼくも初めは全くと言っていいほど法規の問題が解けず、苦手科目だと考えてしまうことで勉強のやる気も起きませんでした。
そんなぼくでも、いくつかのコツを覚え、効率的に勉強していくことで模試や本試験では、法規で9割以上の得点を出すことが可能になりました。
今回は、法規の苦手意識を克服する方法、法規で高得点を狙うための具体的な勉強方法とコツをご紹介いたします。

法令集の線引きが完了していることが前提条件として説明していくからね。線引きは年内に完了させよう!
目次
法規の苦手意識を克服する方法

法規が苦手と感じる皆さんにまずお伝えしたいことがございます。それは法規を最初から解ける人はいないということです。
資格学校で講義を受けても、独学でテキストを読んでも、学習した範囲の法規の問題をその日からスラスラと解けることはありません。解けたとしても本試験に求められるような、1選択肢1分で正誤判断することはできないのです。
法令集のどこに条文があるのかわからなくて時間ばかりかけてしまったり、問題文の間違いに気が付かないことは苦手だからではありません。法規で高得点を取っているような人や、法規が得意という人でさえ、誰もが通るあたりまえの悩みなのです。
これからは以下の3つのポイントを押さえたうえで、勉強を進めていきましょう。
- 法令の基礎知識を理解する
- 法令集のどこに必要な条文があるか覚える
- 法規の過去問(10年分)は最低3周、1周目は答えから見て解答する

法規が苦手だと思い込んでいたよ!勉強はじめるぞ~
法令の基礎知識を理解しよう

法令集を使用するための前提知識として、法令には「法律」と「政令」、「省令」があることを覚えておきましょう。
「法令」というのは「建築基準法」にあたります。法令集の大枠になると考えてください。
次に「政令」や「省令」は具体的な内容や、補足事項について詳細に書かれたものになります。こちらが「建築基準法施行令」や「建築基準法施行規則」に該当します。
具体的に条文で解説いたします。高さ制限の問題がでたとして、始めに「建築基準法」の第56条6項を引くと以下のように記載されています。
隣地との高低差が著しい場合…適用の緩和に関する措置は政令で定める。
隣地と高低差があった場合の緩和措置は、「建築基準法」の中では詳しく記載がありません。「建築基準法施行令」を引くと、緩和に関しての詳細なルールが定められています。
このように条文の中に「政令で定める」や「国土交通省で定める」といった文章が出てきますので、「政令」「省令」を引くと内容がわかります。
試験の傾向としては「政令」まで引かないと解けない問題が頻出しておりますので、一発では答えの条文にたどり着かないケースが多いと理解しておきましょう。
次に「章」「条」「項」「号」の違いを覚える必要があります。「章」の細分が「条」、「条」の細分が「項」、「項」の細分が「号」です。また「号」の細分として「イ、ロ、ハ…」が使用されるケースもあります。
法令集には下記のように表示されます。
第6条 ○○〇…
2 ○○〇…
一 ○○〇…
このように条の次に、アラビア数字で「項」、次に漢数字で「号」が続きます。「1項」の数字は省略され、「2項」から表記されるので注意してください。
法規の具体的な勉強方法と解答のコツ

ここからは、具体的な勉強方法とコツをご説明いたします。
冒頭に勉強のポイントとして、「 法令集のどこに必要な条文があるか覚える」 「 法規の過去問(10年分)は最低3周、1周目は答えから見て解答する 」をあげました。
理由は、本試験での法規の出題の多くが過去問の類似となっているからです。過去10年分の問題を完全に解けるようになれば高得点を出すことも可能です。
過去問を3周する中で、必要な条文の場所が法令集のどこにあるか分かるようになるはずです。より速く、正確に法令集を引けるようになったとき、苦手科目から得意科目へと変化しているでしょう。
補足として解答のコツもご紹介します。
過去問の進め方
まずは過去問1周目、答えから見て解答しましょう。
ぼくは法令集に慣れてないとき、1問解くのに20分以上かかってしまうこともありました。非常に効率が悪いと思いませんか。一生懸命法令集の中を探す前に、答えを見て必要な条文のある場所を覚えましょう。
答えから見て解く際に意識するべきことは、法令集を引く手順を正しく行うということです。道路に関しての問題文が出たのなら、始めは「建築基準法」の条文を引き、次に詳細が書かれた「建築基準法施行令」を引くといった手順です。

2周目以降は自力で解けるよう、条文を引く手順を省略してはいけませんよ
次に過去問2周目です。ここからは自力で解答していきましょう。2周目は、本試験で求められる1選択肢1分の時間は意識しなくてよいです。
間違えた問題や、時間がかかりすぎてしまった問題はマークしましょう。マークした問題を繰り返し解くことで法令集の条文の場所を覚えましょう。
過去問3周目は時間を意識して勉強に取り組みましょう。本試験と同程度の時間で解いてください。1選択肢1分、4分程度です。速く解ける問題はより短時間で、難しく感じる問題や計算問題も5分程度で解けるようにしましょう。
時間を意識できるようになることで、本試験後半に全く時間が足りない状況になってしまうことを避けられます。
3周目が完了するころには法令集のどこに必要な条文があるのか、瞬時に判断できるようになっています。それでも間違えてしまった選択肢や、5分以上時間がかかってしまった問題は繰り返し解くことで、法規をより仕上げていきましょう。
計算問題をあきらめない
法規であきらめていけない計算問題は3つあります。
容積率、建蔽率、最高高さの3つです。この3つは出題率が非常に高く、計算自体はむずかしくありません。落とすと他の受験者と差がつけられてしまう問題です。
高さ制限と道路セットバックの緩和など、文面ではイメージしつらいものはテキストの図解で理解できるようにしておきましょう。計算問題は解き方の手順を覚えてしまえば、確実に取れる問題です。
暗記で対応できる問題があることを理解する
過去問3周目で直面するのが、法令集を引くスピードが上がっても全問調べきる時間がない状態です。本試験中に全ての選択肢を調べきることは、非常に難しいです。

過去問3周目だけど、試験時間内に30問は解ききれないよ~・・・

実は法規にも暗記で対応できる問題が存在するんだよ
暗記できる問題は暗記して時間短縮を図る必要があります。
暗記分野としておすすめするのは、確認申請と建築士法です。
確認申請は法6条からの確認済証の交付が必要な構造と面積の組み合わせと、ひっかけ問題の用途地域部分を暗記することで時間短縮が可能です。
建築士法は、建築士の免許登録や定期講習など仕組みを覚えてしまえば、法令集を引かずとも解答可能な問題が多数あります。建築士法からは例年3問程度出題されますので、暗記して時間短縮を図りましょう。
法令集のマーカーを5色使ってみる
法令集の情報は色で判断すると、より素早く情報を処理できると考えます。マーカーを5色使った法令集を引くコツを説明いたします。
法令集の中で、特に難解といわれる耐火性能関係に関しての具体例をお伝えします。
- 耐火建築物、耐火構造、不燃材料:ピンク色
- 準耐火建築物、準耐火構造、準不燃材料:オレンジ色
- 防火建築物、防火構造、難燃材料:イエロー色
- 遮煙性:パープル色
- 否定文:ブルー色
このように最も性能が高いものをピンク色、次にオレンジ色、次にイエロー色と色分けするとイメージしやすいかと思います。
これ以外でも、色分けで情報処理が速くなると感じるものはフリクションマーカーなどの消えるペンでお試しください。ぼくは色が薄めのフリクションライトをおすすめします。法令集の裏移りもないですからね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事内容をまとめますと以下の通りです。
- 法規が苦手なのではなく、初めのうちは解けなくてあたりまえ
- 法令の基礎知識を理解する
- 法令集のどこに必要な条文があるか覚える
- 法規の過去問(10年分)は最低3周、1周目は答えから見て解答する
説明してきましたように、法規の勉強初期は全くと言っていいほど問題が解けません。過去問2周目から、ようやく解けるようになってきます。
勉強の成果が出るまで時間がかかるため、最も根気が必要な科目だとぼくは思います。あきらめずに法令集を引き続けた先には、法規が最大の得点源として味方となってくれます。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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こんにちは。ふぐたくまおです。
「何だ?この フグの帽子を被った怪しいクマ は?」という疑問にお答えします。
ぼくは、関東生まれ関東育ちの元公務員です。
平成26年(2014年)に一級建築士に合格するも、その合格までに費やした費用は、約250万円!!
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そんな思いから、時間とお金を掛けずに一級建築士になりたい人をサポートするため、オンラインサロンの運営を始める。
ぼくが、なぜ資格の取得までに250万円を費やしたか、こちらで詳しく紹介してるので、よかったら見てやってくださいね。
プロフィール:新卒で建築会社に入社するも、周りに流され明確な意思がないまま、資格学校に入学。その後授業料だけ払い、勉強もせず学校も行かず無駄な日々を過ごす。一級建築士の取得までに掛かった総額は実に250万円以上!
合格してわかったことは、製図を独学で勉強するというのはほぼ不可能ということ。でも、学校は学費が掛かる。もっと安価で製図を教えてくれる人がいれば、自分のように時間とお金を掛けずとも一級建築士は取れるはず・・・
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