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【一級建築士試験】構造の耐震ルートを解説!順序理解で確実に覚える  

この記事の著者:ふぐた くまお

プロフィール:新卒で建築会社に入社するも、周りに流され明確な意思がないまま、資格学校に入学。その後授業料だけ払い、勉強もせず学校も行かず無駄な日々を過ごす。一級建築士の取得までに掛かった総額は実に250万円以上!

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こんにちは、ふぐたくまおです。

一級建築士学科試験構造は、文章問題への理解が最も難解な科目です。特に耐震計算ルートの選定は、過去問の繰り返しだけで理解することは難しいですね。

しかし、構造設計の基礎といわれる耐震計算ルートは、出題率も高いことから取りこぼしてしまうと他の受験生より不利になってしまいます。

ふぐたの煩悩

過去問をやっても、どうやって耐震計算ルート選ぶのか分からなくて問題が解けないよ~・・・

ふぐた くまお

実は、ぼくも苦手な分野だったんだ・・・

でもルート選定の流れを知れば、必ず問題が解けるようになるから安心してね!

順序立てて、耐震計算ルートを覚えていけば、暗記もしやすく、簡単に解けるようになります。

今回は、耐震計算ルートについて、暗記しやすいようにわかりやすく説明していきます。

耐震計算ルートとは

構造計算の主な流れとして、一次設計と二次設計が存在します。これは高さは60m以下の建築物に限ります。

耐震計算ルートは、二次設計の中で、建物の規模等に応じて選定していくものだと認識しておきましょう。

以下に一次設計と二次設計の内容をまとめます。

一次設計

常時(長期)作用する荷重や、稀(短期)に作用する積雪・暴風・地震時の荷重に対して計算する。地震力は、数十年に一度遭遇する中程度の強さのレベルとしています。以下2つの計算方法で判断します。

  • 許容応力度計算
  • 屋根ふき材等の構造計算
二次設計

極めて稀、数百年に一度遭遇するレベルの大地震に対する安全確認を2次設計で行います。耐震計算ルート1~3の3種類の計算手順があります。

  • 耐震計算ルート1:比較的小規模の建築物が対象。強度によって安全性を確保する。
  • 耐震計算ルート2:許容応力度計算の一部。強度・剛性・靭性の確認により、安全性を確保する。
  • 耐震計算ルート3:保有水平耐力計算の一部。高さ31mを超える建築物又は、ルート1、2によらない場合に適用される。
ふぐた くまお

梁間、桁行方向別に異なった耐震計算ルートは適用可能だよ!

ただし階ごとに異なるルートは適用できないから注意してね!

ふぐたの煩悩

突然、ハリマとかケタユキ方向とか言われてもさっぱりだよ~・・

ふぐた くまお

ごめんごめんww建物平面上の縦方向と横方向で、それぞれ別の耐震計算ルートが使えると覚えておこう!

ふぐた くまお

上の図が構造計算のフロー図だよ!次から詳しく説明していくよ

耐震計算ルート1とは

耐震計算ルート1の適用範囲について説明いたします。ルート1では、鉄骨造とそれ以外の構造で確認方法が異なります。

鉄骨造のみルート1-1とルート1-2に分類されるため注意が必要です。

鉄骨造以外の耐震計算ルート1

まずは鉄骨造以外の構造についてのルート1適用条件をご確認ください。

鉄骨造以外では、主に高さと階数でルート1が適用できるか決定します。

構造種別 規模 構造規定
鉄筋コンクリート造 高さ20m以下 各階の壁量・柱量の確保
木造 高さ13m以下かつ軒高9m以下  
補強コンクリートブロック造 階数3以下  
組積造 階数3以下  

鉄骨造の耐震計算ルート1-1、1-2

次に鉄骨造の耐震計算ルート1-1、1-2適用条件をまとめました。

鉄骨造 ルート1-1 ルート1-2
階数 3以下 2以下
高さ 13m以下 13m以下
軒高 9m以下 9m以下
スパン 6m以下 12m以下
延べ面積 500㎡以下 500㎡以下
標準せん断力係数
C0
0.3以上 0.3以上
各階の偏心率 0.15以下
水平力を負担する
筋交いの端部
保有耐力接合 保有耐力接合
そのほか 柱、梁の仕口部:保有耐力接合
柱継ぎ手部:保有耐力接合
梁:保有耐力横補剛
柱と基礎の接合部:靭性を確保

ルート1-1は3F建ての縦長の建物をイメージしてください。比べてルート1-2は2F以下で、スパンが長めということから、コンビニのような平たい建物をイメージできるかと思います。

ぼくは実際に勉強する際、簡略的に表を書くことで暗記できるようになりました。保有耐力接合の有無なども過去問で問われるケースがあるため、合わせて覚えると良いでしょう。

ふぐた くまお

耐震計算ルート1が適用できない建物については、耐震計算ルート2、3が適用できるか検討していくよ

層間変形角の確認(ルート2、3共通)

耐震計算ルート2及び3を適用する前に、共通事項として層間変形角の確認をする必要があります。

層間変形角というのは、建物に地震力が生じた際の各階の水平方向の層間変変位を、その階の高さで除した値となります。

簡単に言いますと、地震が起きた際、各階の床と天井でどの程度の角度でズレが生じるかの確認になります。

ふぐたの煩悩

ちょっとちょっと!層間なんとかって何語なの〜?頭が全く追いつかないよ〜

ふぐた くまお

安心して。層間変形角でおさえるポイントは数値だけでもいいからね!

層間変形角は1/200以下でないと耐震計算ルート2及び3は適用できないルールになっています。

緩和ルールとして帳壁、内外装材や諸設備に著しい損傷が生じる恐れがないことを確認すれば、層間変形角を1/120まで緩和することができます。

層間変形角の許容値
  • 基本的に1/200(ルート2,ルート3共通)
  • 緩和ルールで1/120(ルート2,ルート3共通)

耐震計算ルート2とは

耐震計算ルート2を適用する場合は、主に剛性率と偏心率、搭状比の3つを確認する必要があります。

この3つの確認を数値のみでまとめると以下のようになります。

耐震計算ルート2適用条件
  • 剛性率0.6以上
  • 偏心率0.15以下
  • 塔状比4以下

剛性率というのは、建物各階における水平方向の変形のしにくさを表した数値です。剛性率の数値が高いほど、硬い建物のイメージで変形が起きにくいことになります。

また、各階の剛性に大きな差があると、地震時に剛性の小さい階に変形や損傷が集中しやすくなってしまうということも抑えておきましょう。

例えば、5F建の建築物での1Fがピロティ駐車場になっていたおり、1Fの壁量が極端に少なかったとします。1Fの剛性率は、その他の階に比べて極端に小さくなってしまい、地震時に1Fに大きな変形や損傷が生じてしまうことになります。

次に偏心率というのは、各階の剛心と重心との距離のねじり抵抗に対する割合を表した数値です。

値が大きくなるほど、ねじれや振動が生じやすくなってしまいます。値が低いほど、安定した建物になるイメージです。

耐力壁が偏って入ってしまいますと、偏心率の数値も大きくなってしまいます。

ふぐたの煩悩

剛性率と偏心率って、どっちの数値を満たせばいいのか混乱するなぁ・・・

ふぐた くまお

剛性率は高いほうが良くて0.6以上、偏心率は低いほうが良くて0.15以下と簡単に暗記することから始めてみようか

最後に、塔状比について説明します。

塔状比は建築物の地上部部で、地震力の方向における加工の幅Dに対しての高さHの比を表します。

図のように、地震力に対してH/Dが4以下になっていればルート2の適用条件を満たしていると言えます。

耐震計算ルート3とは

耐震計算ルート3は、高さ31mを超える建築物またはルート1、ルート2を適用できなかった建築物が対象となります。

耐震ルート3を適用する場合は、保有水平耐力の確認と転倒の検討を行う必要があります。

耐震計算ルート3適用条件
  • 保有水平耐力Qu≧必要保有水平耐力Qun
  • 搭状比>4の場合、建築物が転倒しないことの検討

耐震計算ルートの勉強方法

耐震計算ルートの条件と流れはつかめましたでしょうか。ここからは、具体的にどうやって勉強を進めたら良いかご説明いたします。

基本的には、耐震計算ルート部分の過去問に繰り返し取り組むことをおすすめします。

過去問に取組む際に、「耐震計算ルートとは」でご紹介した構造計算のフロー図を書き出してみて下さい。

この図に層間変形角の数値や、偏心率・剛性率の数値などを追記していただくと、理解が深まります。

最初のうちは手間に感じますが、構造計算のフロー図を書き出すことで、暗記しつつ確実に過去問を正答していきましょう。

一級建築士学科試験の構造は、法規と違い試験時間に余裕があります。

本試験でも、構造計算のフロー図や表を書き出して、ケアレスミスを防ぐことをおすすめします。

ふぐたの煩悩

フロー図や表を暗記できないから、毎回見ないと書き出せないんだよね

ふぐた くまお

今回紹介したフロー図や表は、日常生活の見えるとこに貼っておこうか。

洗面室やトイレに貼っておけば、嫌でも目に入るからねww

ふぐたの煩悩

わかったよ!覚えられない部分は毎日みて、地道に暗記していくんだ~!!

まとめ

いかがだったでしょうか。今回の記事内容をまとめますと以下の通りです。

  • 構造計算の流れとして、一次設計と二次設計が存在する。耐震計算ルートが登場するのは二次設計。
  • 耐震計算ルート1では、鉄骨造のみルート1-1とルート1-2が存在する。
  • 耐震計算ルート2及び3に入る前に、層間変形角を確認する。
  • 耐震計算ルート2は、剛性率と偏心率、塔状比の3つを確認する。
  • 耐震計算ルート3は、保有水平耐力の確認と転倒の検討を行う。
  • 過去問で勉強する際も、フロー図や表を書き出すことで暗記する。

耐震計算ルートの選定は、構造の試験の中でもイメージがしずらい分野です。

今回の記事でまとめてきた通り、耐震計算ルートの条件と順序を意識して勉強していくことで、問題文を理解して解答できるようになります。

また、表や図を書きだしながら勉強すると、よりイメージがしやすく効率よく暗記できると思います。

耐震計算ルートは一級建築士試験で出題されるパターンが決まっていますので、過去問を繰り返し解いて対策していきましょう。

今回の記事が少しでも、皆様のお役に立てれば幸いです。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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