こんにちは。ふぐたくまおです。
一級建築士の学科試験科目の一つに『施工』がありますが、さらにその『施工』分野に特化した専門資格として、一級建築施工管理技士という資格を目指すことが出来ます。
施工管理のエキスパートの証明となるのが、一級建築施工管理技士の資格です。
さて、施工管理についてパソコンなどで検索すると『監理』という単語が出てくるかと思います。
この言葉の違い、皆さんはご存じですか?

ただの変換ミスじゃないのかな?

変換ミスじゃないよ!管理者と監理者は、役割や立場が違うんだ!
目次
監理者?管理者?それぞれの違いとは?

『監理者』と『管理者』、たった1字の違いですが、変換ミスではありません。この漢字の違いが、役割や立場の違いを表しているとも言えます。
監理者と管理者の違いを簡単にまとめると、
- 管理者とは、現場の職人さんたちと連携を取り、工程通りに工事を進める仕事
- 監理者とは、図面通りに現場が仕上がっているか、工事の遅れがないか、確認する仕事
建築施工現場には、管理者と監理者のどちらも必要になります。

似たような役割に見えるんだけど、どうしてわざわざ分けてるんだろう?

チェック・報告体制をしっかりさせるためだね!監理者は、より建築主さんの立場に近い視点で現場の管理をするよ!
管理者と監理者は、別々の業者であることが一般的です。時には意見や主張がぶつかり合うこともある監理者と管理者ですが、だからこそ、その現場で高め合い、良い仕事ができるのです。
建築主、管理者、監理者の関係性を簡単に図にすると、以下のようになります。

監理者の仕事って?

監理者の仕事は、設計・施工計画通りに現場にて作業が行われているかをチェックすることです。設計や施工の計画と言うのは、クライアントの要望とも言えます。
監理とは、その建物の計画・設計・施工・維持管理の全ての過程に関わる重要な役割です。
建物の計画や設計に関しては、建築士の仕事とも捉えられますよね。監理者は、通常その建物の設計者やその協力者が担当する役割です。

実際の現場では、こちらの監理者のことを『サラカン』と呼んだりします。
そんなところからも、一級建築士を目指す方には、頭に置いておきたい業務と言えます。ただ図面を書くだけが建築士の仕事ではないということです。
また、工事に関しての品質や安全なども、監理者がチェックします。
監理者は、クライアントからの依頼通りに建築工事が行われているのかどうか、をチェックしていきます。
もしも工事が発注通りに行われていない場合、施工者に是正させるのも監理者の大切な仕事です。
建築中の建物に、雨漏りなどのトラブルが生じないように、工事内容に問題が無いかどうか、を管理・確認したりもします。
管理者の仕事って?

管理者の仕事は、建築工事にあたって、施工計画や施工図を作成し、工事の工程を管理することです。いわゆる、現場監督というやつです。

現場で『タケカン』と言うと、こちらの管理者を指します。
現場監督が、建築現場の工程のスケジュール管理や調整、施工の手順を検討する業務なんです。
さらに、建築に際して必要となる資材の注文を行うのも管理者の仕事になります。
現場で作業する職人たちの、仕事場内での安全に気を配り、建築作業の段取りを行う、作業現場の仕事の全てを把握しているのが、管理者です。
また、施工管理者の仕事は建築現場だけに限られません。役所への手続きや、そのために必要な書類の作成も、管理者の仕事です。
さらに、専門工事業者との打ち合わせや、監理者である建築士との連携を行うという仕事もあります。
担当する仕事が多岐にわたる管理者として、実際に業務を行うためには、施工管理技士と呼ばれる国家資格が必要です。

『サラカン』と『タケカン』って呼び分けてるんだねぇ。

『カンリ』って音を聞いただけだと、どちらを呼んでいるか分からないからね。
一級建築施工管理技士とは?

施工管理の資格は、全部で7種類あります。
- 建築機械施工管理技士
- 建築施工管理技士
- 土木施工管理技士
- 管工事施工管理技士
- 電気工事施工管理技士
- 造園施工管理技士
- 電気通信工事施工管理技士
資格の種類によって、建設現場で使用する機械の管理や操作、土木工事の現場管理など、行える業務の内容が変わります。
また、7種類ある施工管理の資格は全て一級と二級に分かれています。一級保持者は、監理技術者、二級保持者は、主任技術者として認定されます。
監理技術者、あるいは主任技術者は、建築現場に必ず居なくてはならない存在です。一級保持者である監理技術者は、大規模な元請工事を担当することが出来ます。
二級保持者である主任技術者は、小規模な元請工事や下請け工事の現場を担当出来ます。一級建築施工管理技士は、施工管理技士の資格の内の一つになります。
名前の通り、建設工事の施工管理を行える資格で、一級建築施工管理技士は17種類の建設工事に携わることが出来ます。

管理者は、建築現場に常駐する必要がある重要な仕事を担う存在です。
管理者と監理者、一級建築士との関係は?

さて、ここまで監理と管理について書いてきましたが、一級建築士とはどのように関わってくるのでしょうか?
監理の仕事は、建物の設計者が担う場合が多いので、一級建築士となったからには、携わる業務の一つである、とイメージしやすいですよね。

ふーん。じゃあ、管理の方はどうなの?
いわゆる現場監督と言われる、管理者の仕事ですが、一級建築士として、一級建築施工管理技士という資格を持っていると、以下のようなメリットが考えられます。
- 建物を設計する段階で、より具体的に施工をイメージしながら設計をすることが出来る
- 現場の職人さんたちからも、現場を理解している建築士であると思ってもらえる
まず、建物を設計する段階で、工事に関してや現場の事が分かった上で設計をすることが出来ます。つまり、工事の予算を理解したうえで設計できるということなんです。
『クライアントからの要望を最大限に叶えたい』という思いと『予算の問題』って、なかなか上手く折り合いがつかない事だったりしますよね。
せっかく理想通りの設計を行っても、「現場での予算の問題が…」と言って躓いてしまうのは、仕事の流れとしてもとても勿体ないです。
予算を立てながら設計をするのは、当然の事であります。しかし設計者が、設計の段階から建築現場の事を理解していると、より具体的に金額のイメージがつき、この躓きを回避できるということです。
また、残念ながら、一級建築士の資格を保持しておきながら、ほとんど現場のことがわからない、理解していない建築士も少なくありません。(ぼくも人の事言えません・・・)
逆に言えば、現場に詳しい建築士は、現場の職人さんたちからも「現場を理解していない!」と言われることもなくなります。

これって、実際に仕事を進めていく上でとても重要な事だと思いませんか?
どんな仕事にも言えることだとは思いますが、自分の携わる仕事に理解の無い上司や同僚ほど、信頼が出来ないものは無いと思います。
建物を設計した建築士が、現場をしっかりと理解できていれば、とても信頼されますよ。
そんな一級建築施工管理技士の資格は、国家資格なので、やはり取得にはそれなりのハードルが設けられています。
そのハードルの内の一つが、受験に際しての実務経験です。
が、一級建築士の資格を有していて、一定以上の実務経験があると認められれば、一次試験が免除されます。

建築士としての活躍をさらに加速させるために、資格取得を考えてみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 管理者とは、現場の職人さんたちと連携を取り、工程通りに工事を進める仕事
- 監理者とは、図面通りに現場が仕上がっているか、工事の遅れがないか、確認する仕事
監理者と管理者の、仕事内容の違いが分かっていただけたかと思います。一級建築士を目指す場合、監理者としての仕事を担うこともある、ということです。
ただ、管理の仕事が一級建築士の仕事と全くの無関係である、というわけではありません。監理者として現場に行けば、管理者と建築工事に関してやり取りをするでしょう。
その際に、施工管理の仕事を理解出来ているということは、大きな強みになります。
一級建築士の資格取得後に、一級建築施工管理技士の資格取得を目指す方が多いのは、建築現場で得られるメリットが沢山あるからです。

現場の仕事を理解・把握できている建築士は意外と少ないですので、仕事を進めていく上でとても大きな武器になるんです。
監理と管理の違いについて、今回は詳しくまとめてみました。
一級建築士としての活動とも関わってくる2つの仕事の内容を把握して、活躍の場を広げていきましょう。
また、一級建築施工管理技士の資格取得は、一級建築士としてのスキルアップに役立つと言えます。
建築現場を把握している建築士は、依頼主だけでなく、現場で働く職人さんからも信頼される存在になれるでしょう。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
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こんにちは。ふぐたくまおです。
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プロフィール:新卒で建築会社に入社するも、周りに流され明確な意思がないまま、資格学校に入学。その後授業料だけ払い、勉強もせず学校も行かず無駄な日々を過ごす。一級建築士の取得までに掛かった総額は実に250万円以上!
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